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【医師コメントつき】自毛植毛のメリット・デメリットを解説!治療の際に注意すべきポイントとは

薄毛治療

有効な薄毛治療法の一つとして挙げられる「自毛植毛」。比較的知名度の高い治療法ですが、施術のリスクや術後のケアなどについて詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

自毛植毛は確実に増毛を実感できる反面、様々なリスクを伴う可能性のある治療法です。今回のAGAタイムスでは、自毛植毛をする前に知っておきたい植毛の基礎知識からメリット・デメリットまでご紹介いたします。

自毛植毛とは

薄毛が気になる部分に髪の毛や髪の毛の代替品を植え付ける施術法を「植毛」といいます。植毛には自毛植毛と人工毛植毛があり、「自毛植毛」は自身の頭皮から採取された毛組織(ドナー)を脱毛部に移植する方法です。

【自毛植毛】

現在行われている植毛のほとんどがこの自毛植毛です。AGA(男性型脱毛症)では、薄毛の影響を受けるのは主に前頭部と頭頂部の毛組織であるとされているため、植毛を行うためのドナーは後頭部から採取するのが一般的です。

施術方法はメスで皮膚ごと切り取り毛組織を採取するFUT法と、パンチと呼ばれる鋭利な筒状の刃物で1株(毛穴一つ分の毛包)ずつ毛組織を採取するFUE法の2種類が主流となっています。

このように、脱毛部にはAGAの影響を受けにくい後頭部の毛組織を移植するため、自毛植毛を行うことで薄毛の改善が期待できます。

移植した毛組織が生着すれば、脱毛の起きていない部分の髪の毛と同じように成長します。自毛植毛は、ドナーに自分自身の毛組織を使用しているため拒絶反応が少なく、生着率が高いのも特徴です。

生着後の毛髪に特別なメンテナンスは必要ありませんが、元からある毛髪はAGAの原因物質を作る「5αリダクターゼ」の影響を受け続けるので、時間が経つにつれて薄毛が進行します。そのため、自毛植毛後もAGA治療を継続することが重要です。

失敗のリスクは比較的少ないといわれていますが、術者の技術により生着率が変わるため病院選びは慎重に行いましょう。

【人工毛植毛】

ナイロンやポリエステルなどで作られた人工毛を移植する方法です。

本物の髪の毛ではないため、植毛する本数や長さを自由に調節できるという特徴があります。

しかし、人工毛植毛は人工物を頭皮に移植するため、体の免疫システムが拒絶反応を起こすリスクが懸念されます。結果的に感染症を引き起こしてしまうこともあり、大変危険です。さらに自毛植毛とは異なり、定期的なメンテナンスが必要なため人工毛植毛ではコスト面の負担も大きくなります。

このようなデメリットから、日本皮膚科学会が発行する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(以下、ガイドライン)」でも評価が低く、施術すべきではないとされています。一部の国では人工毛植毛を法律で禁止しており、現時点ではおすすめできる手法とはいえません。

自毛植毛のメリット・デメリット

先述した通り、人工毛植毛はあまり推奨されていません。

したがって、この章では「自毛植毛」に注目してどのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。

【メリット】

1. 移植による拒絶反応が起こりにくい
自毛植毛の場合、人工毛植毛とは異なり自身の髪の毛を移植するため術後の拒絶反応が起きにくいのが特徴です。最新技術を用いれば髪の毛の生着率も高く、移植が成功すれば薄毛の改善が期待できます。
2. AGA改善に効果的
AGAの原因物質である「DHT(ジヒドロテストステロン)」は、男性ホルモンの一種「テストステロン」が還元酵素「5αリダクターゼ」の作用を受けることにより生成されます。
先述した通り、5αリダクターゼは前頭部や頭頂部へ大きく影響する一方、後頭部や側頭部へは影響が少ないとされています。そのため、後頭部の毛組織を脱毛部へ移植する自毛植毛は、AGA改善に効果的だと考えられます。
3. 瘢痕性脱毛症にも対応可能
毛組織をそのまま移植するので、外傷などですでに毛根が消失してしまった瘢痕性(はんこんせい)脱毛症にも対応が可能です。移植した部分に生着すれば、正常な髪の毛として成長します。
4. 仕上がりがナチュラル
自分の髪の毛を移植するため、生着すれば他の髪の毛と同じように成長していきます。自身の髪の毛本来の質感を維持できるため、自然な仕上がりが期待できるでしょう。
5. 日本皮膚科学会でも有用性が認められている
日本皮膚科学会が定めたガイドラインによると、自毛植毛は5段階の推奨度のうち、上から2番目の“推奨度B”に位置付けられており、有用性が認められています。人工毛植毛が“推奨度D”であることからも、日本国内では確立された治療法であるといえます。

【デメリット】

1. 植毛部以外のAGAの進行は止められない
自毛植毛は自身の髪の毛を移植するため、植毛できる範囲に限りがあります。薄毛が広範囲に進行している場合、全領域に対して植毛を施すことはできません。また、毛組織は採取される前の条件を引き継ぐため後頭部から移植した髪の毛は5αリダクターゼの影響を受けませんが、植毛部以外の髪の毛は5αリダクターゼの影響を受け続けるので脱毛が進行してしまいます。
そのまま治療をせずに放っておくと薄毛が進行して、再び植毛を行うなどの対処が必要になってしまいます。そうなると時間がかかることはもちろん、肉体的にも金銭的にも大きな負担となることが懸念されます。
2. 生着しないと抜け落ちてしまう
自毛植毛は、移植後の細胞が生命活動を持続できるかどうかで最終的な仕上がりが変わります。
生着率を高めるためには、以下の条件が重要です。
  • ドナーを採取してから移植するまでの時間が短い
  • ドナー採取時に、多くの毛組織を採取できている
  • 顕微鏡下で毛組織を一つひとつ分ける際、株分けが丁寧に行えている
これらの条件が整っていないと植毛箇所でドナーが生着しにくくなり、髪の毛が抜け落ちてしまう確率が高くなります。
3. 合併症のリスク
自毛植毛を行うことで、様々な合併症を引き起こす可能性があります。主な症状としては、局所麻酔中毒に伴う不整脈や術後の血腫、創感染、痺れ、顔やまぶたのむくみ、一過性の頭皮の知覚異常などが挙げられます。
4. 費用が高額になる可能性がある
自毛植毛は美容整形などと同じ自由診療にあたるため保険が適用されません。そのため施術にかかる費用は全額自己負担です。
現在は、先述したパンチと呼ばれる機器で毛組織をくり抜く「FUE法」が増加傾向にあり、費用は1株あたり1,000円〜2,000円程度と病院や施術法によって大きく差があります。例えば、生え際の後退を補うため400グラフト(髪の毛約1000本分に相当)を植毛する場合は約40〜80万円かかる計算になります。ある程度薄毛が進行している場合は3000本、4000本…と移植する本数が増えていくので、その分コストは膨れ上がっていきます。
したがって、植毛は脱毛症治療の中でも一度にかかる費用が高額になりやすいといえます。
5. 傷跡が残る場合がある
メスで切開して頭皮を広範囲で採取する「FUT法」の場合、頭皮に縫合の傷跡が残ってしまう恐れがあります。また加齢により頭部全体が薄毛になり、植毛の傷跡を隠せなくなる場合もあります。
現在ではメスを使用せず、ドナーを1株ずつ採取できる「FUE法」が広く採用され始めているため、大きく傷跡が目立つリスクは低くなりつつあります。
医療技術の進歩によって自毛植毛のリスクは徐々に軽減しているものの、少なからずデメリットは存在しています。植毛を行う際は、メリット・デメリットをきちんと理解した上で手術を行うようにしましょう。

失敗しない自毛植毛を行うためのポイント

植毛で失敗しないためには、クリニック選びが鍵となります。クリニックの実績、技術力はもちろん、カウンセリングなど手術までのプロセスが丁寧であるかも大切なポイントです。

また、クリニックがどの施術方法を採用しているかも確認しておきましょう。自毛植毛の方法は、先述の通り「FUT法」と「FUE法」の2種類が主流です。施術方法によって仕上がりや生着率、費用、痛みの強さなど、細かい点で違いがあります。

費用のみを基準にクリニックを選ぶのではなく、様々な情報をきちんと考慮した上でクリニックを選びましょう。

最近では、ロボットによる植毛技術も確立しています。

「FUE法」を選択する場合は、ロボットによる施術なのか、術者による施術なのかも併せて確認するようにしましょう。

植毛以外の治療方法

薄毛治療といっても、薄毛の原因によって治療法は異なります。

ガイドラインにおいて自毛植毛術が“推奨度B”であることは先述した通りですが、当然ながら“推奨度A”の治療法も存在します。それが「ミノキシジル」の外用薬と「フィナステリド」や「デュタステリド」の内服薬を用いた治療です。

それぞれ、どのような治療法なのか詳しく説明していきます。

ミノキシジル外用薬

ミノキシジルを配合した外用薬は、薄毛や抜け毛が気になる部分に直接塗布して使用します。アポトーシス(細胞死)と呼ばれる現象を抑制することで、ヘアサイクルの成長期間を延長したり、毛母細胞を刺激して休止期を短縮したりする作用が起こり、発毛を促す効果が期待できます。

治療薬の費用は、1カ月で約1万円程度が目安です。

フィナステリド内服薬

フィナステリドを配合した内服薬には、AGAの原因物質であるDHTをつくる酵素5αリダクターゼを阻害する働きがあります。これにより、DHTによって短縮されたヘアサイクルを正常な状態に近づけることができ、毛髪を太く長く成長させられるため薄毛の改善が期待できます。

治療薬の費用は、1カ月5,000円程度と比較的安価で処方してもらえるクリニックが多いようです。

デュタステリド内服薬

デュタステリドは、フィナステリドと同様の作用が認められたAGA治療薬です。両者の違いは、フィナステリドよりデュタステリドの方がAGAへの発毛効果が高い点。1カ月あたりにかかる費用は、フィナステリドより高い場合がほとんどです。

これらの医薬品はAGA治療専門クリニックなどで診察を受け、処方してもらうのが一般的です。

個人輸入などで購入することもできますが、誤った用量の服用による体への影響や偽物など粗悪品のリスクがあるため、個人輸入は避けましょう。

植毛を受ける前に、まずは医療機関へ相談を

自毛植毛について、ガイドラインには「フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルによるAGA治療を受けてみて、効果が得られない場合に植毛を考慮する」と記載されています。外科手術のみではAGAの進行を継続的に防ぐことは極めてむずかしく、体への負担も大きくなるため、まずは内服薬や外用薬による治療を行いましょう。

AGAは進行性の脱毛症であるため自然治癒することはありません。放置しているとヘアサイクルの乱れにより薄毛が進行してしまいます。薄毛治療専門のAGAヘアクリニックには、豊富な知識と経験を持った医師が在籍しています。少しでも薄毛治療をお考えの方は、まず当院へお気軽にご相談ください。