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医師が教える薄毛やAGAの治療・対策メディア

【医師が教える】ビールには薄毛改善効果あり? ホップの持つ育毛効果とは

サプリ・栄養

ホップとは

ホップはビールの原料として利用されるアサ科の多年草つる性植物で、主にドイツやチェコ、アメリカなどの地域で栽培されています。ホップは同じくアサ科の「カラハナソウ」に形状が似ていることから、日本では「セイヨウカラハナソウ」とも呼ばれています。

ビールの原料として使われるのは、受粉前の雌株(めかぶ)にある「毬花(きゅうか)」と呼ばれる部分です。毬花には「ルプリン」という成分が含まれており、ビール独特の香りや苦味、泡立ちのもとになるといわれています。

ホップは、古くからアーユルヴェーダや中国医学で不眠薬として使われてきました。またホップには消化促進や鎮静作用、血圧改善、花粉症予防、肥満予防などの効果があるとされ、薬用のハーブとしても民間で親しまれています。近年ではホップの健康作用についての臨床試験が行われており、これから紹介するような健康効果が注目を集めています。

ホップの持つ効果

ホップには、主に「不眠改善効果」「生活習慣病の予防」「認知機能・気分状態改善」「女性特有の症状改善」などの効果があるとされています。それぞれの効果について詳しく解説していきます。

■不眠改善効果

ホップに含まれる「フムロン」や「リナロール」は鎮静作用が優れており、中枢神経に作用し、緊張や不安、不眠を和らげる効果があるとされています。乾燥させたホップの花を小さな袋へ入れて枕元に置く「ハーブピロー」や睡眠前にハーブティーとして飲むのも、不眠対策としておすすめです。

■生活習慣病の予防

ホップには、糖尿病などの生活習慣病を予防する効果も期待できるとされています。ホップ由来の「イソフムロン」には、血管を拡張し血流を改善する効果や高血圧の予防効果があり、その他にもコレステロールや中性脂肪の蓄積を抑制し、動脈硬化を防ぐ働きや肥満を防ぐ効果などが期待できるといわれています。

アメリカ人の男性4万7千人を対象とした12年間の追跡調査によれば、アルコールを全く摂取しない群よりも、1日あたり15〜29gのアルコール摂取をした群の方が“2型糖尿病の罹患リスクが低下した”との報告もあります。

■女性特有の症状改善

ホップに含まれる「植物性エストロゲン(フィトエストロゲン)」は、女性ホルモンと似た働きをするとされおり、月経前のイライラや肌の不調、生理痛、不安など更年期症状の諸症状を緩和する効果が期待できるとの報告があります。

女性の薄毛は頭部の広い範囲で起こり、「FPHL」と総称されています。FPHLの原因は現在のところ解明されていませんが、加齢によるホルモンバランスの乱れが大きな原因として考えられています。そのため、ホップに含まれる植物性エストロゲンによってホルモンバランスが整えば薄毛や抜け毛へ良い効果が期待できるでしょう。

■認知機能・気分状態改善

ホップの苦味成分である「熟成ホップ由来苦味酸」が脳腸相関を活性化し、前頭前野に関連した認知機能および気分状態改善効果があるとの研究報告もあります。

ホップは薄毛に効果がある?

結論からお伝えすると、ホップには「5αリダクターゼ」の阻害作用が認められており、薄毛を抑制する効果が期待できるとされています。5αリダクターゼとは、男性に起こる薄毛の原因の多くを占める「AGA(男性型脱毛症)」に関係している酵素です。

なぜ、5αリダクターゼを阻害することでAGAの進行を抑えることができるのでしょうか。それには“AGAのメカニズム”が関係しています。

【AGAのメカニズム】

AGAが発症するメカニズムには、男性ホルモンが大きく関係しています。男性ホルモンの一種である「テストステロン」が前頭部や頭頂部にある還元酵素の5aリダクターゼと結びつくと、「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれる悪玉男性ホルモンに変化してしまいます。DHTは髪の毛の生成に関与する毛母細胞の働きを抑制してしまい、発毛を妨げAGAを引き起こします。

■ホップの持つ5αリダクターゼ阻害作用がAGAを抑制する

AGAには上述のメカニズムがあることから、テストステロンをDHTへ変化させてしまう5αリダクターゼを阻害できれば、AGAを抑制することができます。つまり、5aリダクターゼ阻害作用を持つホップを摂取することで、AGAを抑える効果が期待できるといえるでしょう。

ビールの飲み過ぎは逆効果

これまでにお伝えしてきた通り、ホップには優れた健康効果が多く期待できます。しかし、ホップが含まれているからとビールを過剰に摂取してしまうとかえって健康被害のリスクを高めてしまう危険があるため注意が必要です。

■生活習慣病リスクの増加

適度にアルコールを嗜むことは、血行促進やストレス緩和に役立ち、身体や心に良い効果があるといわれています。しかし、過度な飲酒は高血圧や高脂血症、肥満、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めてしまう恐れがあります。

厚生労働省のガイドラインによると、節度のある1日のアルコール摂取量は純アルコールで「20g程度」とされています。これはアルコール度数5%のビール500ml(中瓶1本分)に換算されますが、あくまで目安とされ個人差があるので注意しましょう。

■急性アルコール中毒

急性アルコール中毒は、飲酒によって意識レベルが低下して呼吸困難や昏迷などを発症し、場合によっては死に至るケースもある危険な症状です。とくに“一気飲み”など短時間で多量のアルコールを摂取すると、血中のアルコール濃度が急激に上昇し、急性アルコール中毒の危険性が高まります。

また、空腹時の飲酒も急性アルコール中毒の危険性を高める要因のひとつです。アルコールは食べ物と異なり消化されないため、空腹時に飲酒をすると胃を通り抜けて小腸までたどり着き、急速に吸収されて血中アルコール濃度が急激に上昇してしまいます。アルコールは食事と共に、ゆっくりと摂取するのがおすすめです。

■育毛への悪影響

アルコールは、主に肝臓内にある「アルコール脱水素酵素(ADH)」によって「アセトアルデヒド」という有毒物質に酸化されます。アセトアルデヒドを分解する際は、体内のアミノ酸などの栄養素が消費されるといわれており、アミノ酸は髪の毛の生成に欠かせない栄養素なので、アルコールを多量に摂取するとアミノ酸が不足し、育毛に影響を及ぼす可能性があるのです。

また、一部では「体内のアセトアルデヒドが増加するとAGAの原因であるDHTが増加し、薄毛を招く恐れがある」ともいわれています。しかし、これは“DHTが増加するとアセトアルデヒドも増加する”という研究結果に基づいた推測であり、AGAに繋がるという医学的根拠はありません。

いずれにせよ、アルコールの飲み過ぎは健康に悪影響を及ぼすだけでなく、育毛が阻害される可能性も考えられるため、アルコールの過剰摂取には注意しましょう。

薄毛に悩むなら専門クリニックの受診を

ホップにはAGAに関係する5αリダクターゼの働きを阻害する効果が期待できます。しかし、ホップだけですでに起こっている薄毛を改善することは難しいといえるでしょう。

本格的に薄毛を改善したいとお考えの方は、AGA治療専門クリニックへの相談をおすすめいたします。AGAヘアクリニックでは、ご相談や医師による診察は何度でも無料で受診することができます。ぜひお気軽にお越しください。

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