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【医師コメントつき】酸性雨ではげる?噂の真相や“雨”と薄毛の関係性を解明

毛髪・頭皮ケア

誰もが一度は耳にしたことがあるであろう「酸性雨ではげる」という噂。強い酸性の液体はたんぱく質を溶かす性質があるためいかにも信憑性が高そうな噂ですが、実際酸性雨によって抜け毛や薄毛が引き起こされることはあるのでしょうか。

今回のAGAタイムスでは、酸性雨による髪の毛への影響や雨に濡れた日の適切な対処法についてくわしく紹介していきます。

酸性雨とは?

自動車や工場、発電所などで石油や石炭を燃やしたり、火山活動や森林火災などによって発生する「二酸化硫黄」や「窒素酸化物」と呼ばれる汚染ガスは、大気中で「硫酸」や「硝酸」などの酸性の化合物に変化します。それらが雨や雲、霧などに溶け込み、通常よりも強い酸性を示す現象を「酸性雨」と呼びます。pH(注1)の値が「5.6以下」であることを酸性雨の目安の一つとしています。

酸性雨は河川や湖沼、土壌を酸性化し、そこに住まう生物の生態系に悪影響を与えるほか、コンクリートを溶かしたり、金属に錆を発生させたりして建造物や文化財に被害を与えることもある現象です。

注1:水素イオン濃度指数。水溶液中に存在する水素イオン(H+)の濃度を示す数値であり、水溶液の酸性やアルカリ性の強さを示す尺度として用いられる。

気象庁では、雨などに溶け込み地表に降ってきたものを「湿性降下物」、乾いた粒子などの形状で降ってきたものを「乾性降下物」とし、双方をあわせて「降水・降下じんの化学成分」と呼んでいます。また酸性雨は湿性降下物と乾性降下物を併せたものとして捉えられることが多く「酸性降下物」という用語も用いられています。

ここまでの内容でも分かる通り、たしかにとても危険な現象であることは間違いありません。しかし、実際に抜け毛や薄毛の原因になることはあるのでしょうか。次章にて、その真相を紐解いていきます。

「酸性雨ではげる」という噂に根拠はない

前述の通り、酸性の強さはpHという尺度で測ります。pHの値は「0〜14」の範囲で定められており、「0〜6」が酸性、「7」が中性、「8〜14」がアルカリ性を表しています。

気象庁では、1976年から石油や石炭燃料の燃焼などの人為的な影響が比較的少ない土地にて降水のpH観測を開始していますが、これまでの約30年分の記録を見てみても日本で観測できる酸性雨のpHは低くても「4.5」程度です。

人間の髪の毛や素肌を構成するたんぱく質のpHは弱酸性の「5」程度なので、それと比較してみてもあまり差異のない数値であることが分かります。さらに、レモンより酸性度の強いpH「1.2」程度の湯でも温泉として入浴が可能なことからも、酸性雨にあたるだけで髪の毛が抜けたり薄毛になることはないと考えられます。

しかし、酸性雨が直接的に薄毛の原因になることはなくとも、頭皮トラブルを招いたり、髪の毛が切れたりしてしまう要因をつくることはあり得ます。

雨に濡れた髪の毛・頭皮の放置は危険

髪の毛の構造は大きく分けて「メデュラ」「コルテックス」「キューティクル」の3層に分かれており、海苔巻きのような形状になっています。

最も外側に位置するキューティクルは毛先に向かってうろこ状に重なっており、髪の毛を外的刺激から守ります。普段はヘアダメージを防ぐためにぴったりとすき間なく張り付いて髪の毛を保護していますが、水に濡れると水分を含んで柔らかくなり少しの刺激でもはがれやすくなります。したがって、髪の毛は雨だけに限らず水に濡れると外部からのダメージを受けやすくなります。

またキューティクルは髪の毛のうるおいを留める役割も担うため、はがれてしまえばダメージを受けやすくなるだけでなく、髪の毛の水分を逃しやすくなり乾燥を招いてしまう恐れもあります。髪の毛は乾燥することで脆くなりさらに傷みやすくなるので、結果的に枝毛や切れ毛を引き起こして全体のボリューム感を減らしてしまう可能性も考えられます。

雨には細かいホコリなどの汚れや大気中の汚染ガスから発生した化合物など、人体に有害な物質が含まれています。したがって、雨に濡れたまま放置するのは頭皮にとって好ましくありません。また化学物質過敏症がある方は、雨が頭皮に付着するだけでも頭皮環境の悪化を招くことも考えられます。

雨による危険性は“それだけで抜け毛や薄毛を招く”とはいえないものではありますが、抜け毛や薄毛の要因になりかねないことは確かです。「濡れても放置しなければいいや」と甘く見るのではなく、雨に濡れないための対策をきちんとしておくことが薄毛の要因を減らすための第一歩になるでしょう。

雨に降られたら適切な対処を

前述の通り、雨には髪の毛や頭皮にとって良くない物質が含まれている可能性があります。pHに関わらず、そもそも雨に濡れないために対策を講ずることが大切です。もし雨に降られた場合は、しっかり洗髪をして頭皮を清潔に保つように意識しましょう。

また、育毛に適した頭皮環境を保つには血流を良くすることも大切です。髪の成長には血液によって運ばれる栄養素が必要不可欠。しかし、頭皮を濡れたまま放置してしまうと頭皮の表面温度が低下し、血行不良を招く恐れがあります。血行が悪くなると髪や頭皮に栄養が十分に行き届かず、結果として健やかな育毛を妨げる可能性があるので、入浴して血流を改善することも有効です。雨だけでなく入浴後も含め、濡れた髪の毛は自然乾燥ではなくタオルやドライヤーを使用してしっかり乾かすようにしましょう。

抜け毛・薄毛が気になる方はクリニックへ相談

「近頃、雨に降られているせいか髪の毛が薄くなってきたような…」と疑念を抱き、この記事に行き着いた方は少なくないでしょう。ただし、ここまでに説明した通り、“酸性雨だけの影響で髪の毛がスカスカになる”可能性は極めて低いと言えるでしょう。ボリューム感が気になる程度ではなく、明らかに抜け毛が増えていたり薄毛になっていたりする方は、他の理由が原因になっている可能性が高いと思われます。早めに病院を受診して、原因を特定することをお勧めします。

AGAヘアクリニックであれば、薄毛の原因特定はもちろん、患者さん一人ひとりの原因に合わせて適切な治療を提案できます。また、カウンセリングおよび診察は何回でも無料。万が一当院では治療を施せない症状であっても、他の病院を紹介することもできますので、すこしでも薄毛や抜け毛などの症状が気になる場合はお気軽に相談しにいらしてください。

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